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放射能物質を分離させた蒸留水を作る「ディディミ」

東京の水道水からも放射線物質が発見されてから、ペットボトルの水が店頭から消えました。
その後、立て続けに「お水はどうしていますか?」と聞かれて、「ディディミで蒸留水を作って溜めて、それを使っています」と答えていたのですが、意外とみんながディディミのことを知らないことに気づいたので、お知らせします。

ディディミ のアマゾンのリンク

ディディミは、水道水から蒸留水を作ってくれるのですが、そのときに放射線物質を分離させることができるらしく、私は福島原発以来、毎日せっせと水を作っています。(電気を使用するという点が皮肉でもありますが。)
料理にも、野菜を洗うにも、飲料にももちろん使っていますし、歯磨きや洗顔もこの蒸留水を使っています。
残念ながら、お風呂や洗濯水にまではとても間に合わないので、洗濯はそのままやっています。お風呂は風呂桶にお水を溜めて、毎日沸かしてからかけ湯をして使っています。お水は8日間でヨウ素が半減するということなので、少しずつヨウ素が下がってくれるのを期待しつついるわけです。

「放射能漏れに対する個人対策」

山内正敏(スウェーデン国立宇宙空間研究所)が下記のような対策案を提示してくれています。
今の報道やニュースでは、混乱を防ぐためでしょう、正しい情報を得ることができず、どこまでいけば危険、注意が必要なのかがわかりません。山内先生の指針を参考にしてください。

でも、とっても長いので、特に注意するところを赤字にしました。その部分を注意して見てください。

また、今 Ustreamで配信中の今番組
【特別番組】あえて最悪のシナリオとその対処法を考える 
http://www.ustream.tv/recorded/13552530/highlight/160397
も参考になります。
テレビや報道では知ることのできない良質な情報が満載です。
やたら危険を煽るための番組ではありません。私たちが正しい情報を判断するために必要な情報を提供してくれている有益な番組です。

以下、山内正敏氏の指針です。

放射能漏れに対する個人対策(改版)
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html

中に多くのリンクがありますので、それらを確認する場合は、直接元リンクに飛んでください。


===========================================
放射能漏れに対する個人対策(改版)
(http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html)

=== 転載自由(source code をそのままコピーして下さい) ===
=== 外部被曝の話です。内部被曝は別のサイトを当たって下さい ===
=== 旧版(3月18~24日)はこちら ===


外からの放射能に関して、 放射線医学総合研究所(事故対策本部に加わった組織)を始めとして、多くのメディアや研究者が
『現在の放射能の値は安全なレベルである』
という談話を発表していますが、残念ながら、どの組織も
『どこまで放射線レベルが上がったら行動を起こすべきか(赤信号と黄信号)』
を発表していません(注釈2)。これでは近隣地域の人々の不安を払拭する事は出来ないと思います。行動を必要とする危険値や警戒値を語らずに『安全です』と言ってそれは情報とは全く言えないからです。これは我々が取り扱っている宇宙飛翔体での管理についても言える事です(その為に宇宙天気予報があります)。
 そこで、少々荒っぽいですが、 放射能と風向きの観測値 (現時点で一番濃度の高い場所では文部省の測定結果を参照するのが一番です)に基づく緊急行動指針を概算してみました。科学的に厳密な予測は気象の緻密な観測やシミュレーション、拡散条件など多分野に渡る計算を必要として、短い時間にはとても出来ないので、多少の間違いもあるかも知れませんが、緊急時ですので概算をここに公表します(3月28日現在)。なお、ここでは状況が悪化して来た場合(次第に悪化するケースと原発で変な事が起こった場合)を考えます。微妙な濃度の放射線が長期(3週間~500時間以上)に渡る場合は、別のガイドラインが必要になります。

脱出基準(理由は下に書いています)
(1) 居住地近くでの放射線濃度が1000マイクロSv/時(=1ミリSv/時)に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(2) 居住地近くでの放射線濃度が100マイクロSv/時(=0.1ミリSv/時)に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
(3) 妊婦(妊娠かどうか分からない人を含めて)や小児の場合、居住地近くでの放射線濃度が300マイクロSv/時(=0.3ミリSv/時)に達するか、ダスト濃度が 500 Bq/m3 に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(4) 妊婦(妊娠かどうか分からない人を含めて)や小児の場合、居住地近くでの放射線濃度が30マイクロSv/時(=0.03ミリSv/時)に達するか、ダスト濃度が 50 Bq/m3 に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
 → * 居住地近くでの値が、普通の人で10マイクロSv/時、妊娠初期の人で3マイクロSv/時なら安心して良い

なお、ネット上で北村名誉教授と云う人が上記『居住地近くでの放射能』というのを『原発サイトでの放射能』と読み違えて『値が厳しい目だ』とコメントしているようです。この人のコメントには他にも読み違えが原因と思われるものがありましたので、3月23日以降の版では、そのあたりの誤読が無いような書き方に改めました。ですが、それでもまだ誤読の余地があるのではないかと危惧します。なので、問題点がありましたら、ご一報頂けると助かります。

室内退避基準(無理やり居住地から脱出する必要は余りありません)
(6) もしも原発の近くで50ミリSv/時を越えたら風下100km以内の人は緊急に屋内(出来るだけコンクリート製:注釈3)に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。
(7) もしも原発の場所で急に5ミリSv/時以上の変動が見られたら、風下100km以内の人はなるべく屋内(出来るだけコンクリート製:注釈3)に退避し、100km以上でも近くの放射能値に随時注意する = 黄信号。
(9) もしも原発サイトで何らかの爆発(水蒸気爆発や水素爆発)があった場合、半径100km以内の人は緊急に屋内(出来るだけコンクリート製:注釈4)に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。

補足
(5) 原発から北西と真南に伸びる地域では上記(1)、(3)の半分の放射能量で緊急脱出すべき。
(8) 居住地で黄信号の場合、朝凪や夕凪(あるいは霧の発生し易い天気下)は外出を控える。
(10) シミュレーションの試算値に極端に惑わされてはいけない
(11) SPEEDIシミュレーションは、これから先、真っ先に危険になるかも知れない地域を予測するのに役立つ

関係官庁への要望
(a) 放射能の測定値から空気中のダスト濃度を推定する方法を早く示して欲しい。今のデータでは、ダストの吸い込みによる被爆の程度を推定出来ません。
(b) 原発を取り巻くような形で500m程度離れた地点での放射能モニターを至急設置して欲しい。
(c) ダストと風の垂直分布(ダストが何処まで高く昇るのかが決定的に重要です)を推測する為に、気象ゾンデに放射能モニターを積んで、毎日数回、原発サイトの近くで打ちあげて欲しい。
(d) 原発地点の近くの高い所で、常時発煙筒を焚いて欲しい。この煙の行き先から放射性ダストの向かう方角がある程度わかる
(e) 原発の場所から出た放射性物質の総量を放射能と風向きの観測値から大雑把(桁の精度)で見積もって欲しい
(f) 地球大気関係のプロに応援を頼んで欲しい
(z) 原子力安全委員長の班目氏に、原発北西30キロ地点に一家揃って暫く住んで欲しい


理由付け
先ず第一に、刻々と変化する放射能に対してどう判断するかです。色々な研究所が上限値を出していますが、これが総量である事が問題です。というのも測定値は1時間当たりの値だからです。とりあえず、総量100ミリSv(Svはシーベルト)という数字で考えてみます。この数字は原子力関係者が緊急時に受けて良いとされる政府基準・東電基準で(政府は今回に限り250ミリSvに引き上げた。ちなみに 国際基準 は原子力従事者で500~1000ミリSvで、一般人で20~100ミリSvです)、更に妊婦を除く大人が受けても概ね大丈夫と科学的に示されている値でもあります( R.L. Brent の2009年のレビュー論文を参照)
 居住地付近での悪化に気がついてから(就眠中など、そこで既にロスタイムがある)脱出まで半日~1日かかるとして、状況の悪くなる事を加味して、危険値は100時間で割るのが妥当です。
(1) 居住地近くで『実効値』が1000マイクロSv/時(=1ミリSv/時)に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
しかしながら、この値になって行動すると云う事はパニックを意味します。今までの変動幅を見るに、一桁の余裕を見れば数日の余裕があると考えられます。逆に言えば、1割以下の量を超えた段階で行動を開始するのが妥当で、
(2) 居住地近くで『実効値』が100マイクロSv/時(=0.1ミリSv/時)に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
という事になります。これらの値は 放射線医療総合研究所の指針(57ページ目)と同じであり、原発サイト(居住地でなく)で測定された場合に緊急事態並びに警報を発令する米国基準でもあります( 原子力安全委員会の資料 の88ページ目参照)。ちなみに黄信号でも長時間に渡ると危険値になってしまいますので、黄信号が10日以上続く場合は脱出を真剣に考えるべきです。黄信号に至らなくとも高い放射線が長期間続く場合は、室内にこもっている訳にはいかないので脱出を考えるべきですが、それはここでは考えません。


第2に、妊婦や小児に関する特別な考慮です。事故対策本部の放射線医学総合研究所に100ミリSv(総量)で大丈夫とありますが、これは正確ではありません。上にあげた R.L. Brent のレビュー論文(2009年)によると、100ミリSv(総量)というのは、胎児の1%以上の人が影響を受ける値です。つまり、安全値というより、むしろ、これを越えると有為な差があるという危険値です。では大人に比べてどのくらい考慮しなければならないか? 論文の Figure 4 を見ると、ある種の障害に関して、妊娠初期で危険値が低くなっていて、妊娠後期に比べて3割程度の放射線で赤ちゃんに同じ障害が出ています。(ちなみに、妊娠後期から大人までは大差はないという事のようです)。という事は、大人の場合の3割(30ミリSv)を目安にするのが妥当です。一方、小児については甲状腺ガンのリスクが高くなっていて(甲状腺ガンに限れば胎児よりも高い)、それ故に妊娠初期と同様に取り扱うのが妥当です。従って
(3) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)や小児の場合、居住地近くで『実効値』が300マイクロSv/時(=0.3ミリSv/時)に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(4) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)や小児の場合、居住地近くで『実効値』が30マイクロSv/時(=0.03ミリSv/時)に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
となります。この黄信号も(2)と同じく10日以上続く場合は脱出を真剣に考えるべきです。
逆に言えば、(2)や(4)の1割以下(居住地近くでの値が、普通の人で10マイクロSv/時、妊娠初期の人で3マイクロSv/時)なら安心して良い事になります。ちなみに、放射能の影響は、一般には(細胞分裂や栄養の取り込みの活発な)若い人ほど深刻と思えば良いでしょう。

 ここで『実効値』と書きましたが、これは測定値よりもやや高くなります。というのも、放射能測定値は、屋外に浮遊する放射性ダストから出てくる放射線のみを示していて、そのダストを吸い込む事による追加被曝が含まれていないからです。放射線医療総合研究所の資料(109ページ目)によると、放射性ヨード(I-131)の濃度が 100 Bq/m3 の時に呼吸経由で被爆する量は10歳児で 40マイクロSv/時(=0.04ミリSv/時)程度で、大人で 20マイクロSv/時(=0.02ミリSv/時)程度です。逆に言えば、上記(1)と(3)に示す
赤信号に対応するダスト濃度は、子供で 500 Bq/m3、大人で 5000 Bq/m3
となります(念のために子供は少し余裕を持った方が良い)。問題はダスト濃度の測定が難しい事で、文部科学省や福島県は実施しているものの、観測点が圧倒的に足りません(特に高濃度地域)。従って、もしも放射能の測定値から空気中のダスト濃度をより正確に推定出来れば非常に有用で、誰でも良いから
(a) 放射能の測定値から空気中のダスト濃度を推定する方法を早く示して欲しい
と思います。とりあえず発表されているデータで放射線量とダストの量の大雑把な経験則を調べてみると、10 Bq/m3 の放射性ヨード(I-131)濃度に対応する放射線量は 3~100マイクロSv/時程度で、大人に関しては重要ではありませんが、子供の場合は、ダストを吸い込む影響の方が大きい可能性があります。

 放射能の観測値には、留意点がもう一つあります。それは居住地での放射能値と測定点での放射能値が同じとは限らない事です。それどころか、高い放射能値を示すような地点の近くに限って、短い距離で大きな違いがある事が文部科学省の測定から示されていて、例えば原発から30kmの同心円上の固定地点32と固定地点34(僅か3kmの距離)とで 25日19時の瞬間値 でも 23日から24日にかけての積算値 でも5倍以上の差になっています。この局所高濃度域は原発から北西と南に伸びており、その方面では、居住地と一番近い観測点(危険な場所は文部科学省が調べてくれていますから誤差は減ります)とで最大倍の差を見積もる必要があります。従って
(5) 原発から北西と真南に伸びる地域では上記(1)と(3)の半分の放射能量で緊急脱出すべき = 赤信号。
となります。黄信号の判断条件は変わりません。というのも黄信号になったら文部科学省が調べる筈だからです。


第3に、距離との関係です。チェルノブイリで問題になったのは事故現場からの直接放射でなく、そこで発生した高濃度の放射性噴煙が移動しながら出す放射線でした。福島原発も、レベルは違うものの放射性ダストを外に出しています。少なくとも、原発や30キロ下流での高止まりの放射能値は、放射性ダストが出続けている事を意味しています(下の注釈3参照)。ダストは濃淡を作りながら拡散し、ある高さまで昇ると風に乗って、その濃淡は距離と共に強くなるのが普通です。この手のマイクロスケールの濃淡(いま問題になっているのは高濃度部分です)は自然界では普通に起きています。この高濃度ダストが風に運ばれる事のリスク計算がありません。
 地表と違って上空100mを越えると風は安定的にかなりの速さで吹く事が多くあります(山などで風を感じないのは、どんなに標高が高くてもそこが地表だからです)。その場合、地表から数百メートル以上の高さ(ダストが届き得る高さ)では10m/秒(時速約40km)という見積もりが良く(10km上空は最大50~100m/秒です)、この速度だと、高濃度の放射性ダストは(サイズにもよりけりだけど)数時間は拡散せずに放射能を出し続けます。一部の人が言っているように距離の逆自乗・逆三乗で減る事はありません(真空の場合とは全く違います)。たとえば煙突から出る煙を見て頂ければ分かりますが、風の弱い日(煙突の高さで5m/秒以下)だと、ソーセージ状の煙のくびれが距離と共にハッキリして、その為、高濃度の部分が距離の割にあまり拡散しない事が見て取れると思います。実際、文部科学省の測定結果(上記)も、強い濃淡を裏付けています。
 このような高濃度ダストは原発現場でも高濃度の放射能を出しますから、現場で非常に高い値を記録したら、その風下の人間は緊急に室内に退避しなければなりません。その警報が届くまでに2時間見積もる必要があり、そこから80km圏という数字が簡単に出て来ます。ちなみに、こういう警報は日本語で出されますから、日本人(現状では1時間以内で対応すると思われる)と外国人とでは避難の速さが違い、その為に日米での退避半径が違うと考えられます(もちろん、避難範囲を広げると国が後日保証しなければならない人が多くなる、という事情もあるかも知れませんが、そういう政治的・裁判手管的考察はここではしません)。
 ここで風向きをどう知るかが問題になります。問題は風向きが高度によって違う事で、下手をすると地表近くと2000mの上空とで正反対の事すらあります。なので、花粉予想や煤煙予想と同じ要領で、気象庁で予測するのが一番ですが、残念ながらそこまで至っていません。幸い、文部科学省の測定結果と 米国機の空中測定結果(http://energy.gov /japan2011)から、ダストが概ね北西(一部真南や南西)の狭い地域に流れている事が分かります。北西は海風の風下に当たり、それはダストが極端に高い所まで昇っていない(高い所まで昇るダストが非常に少ない)事を意味していて、それ故に、水素爆発のような爆発時を除いては、高さ1km以下での風向きだけを考えれば良い事になります。
 具体的には、原発サイトでの放射能値が問題になる場合、その時に居住地の風が普段と同じであれば原発の北西(と真南)が風下に当たり、念のために、この向きから左右30度ずつ危険範囲を取れば十分です。ちなみに爆発の場合はダストの昇る高さが分からないので、全ての方角が風下になりうると考えるのが無難です。

 では、低気圧通過とかで風向きが違う場合はどうするか? この場合は風下の範囲が広がります。その際に参考になるのが、海外の研究所が出している予報です。日本全体のシミュレーションは
ノルーウェー気象研究所(http://transport.nilu.no/products/fukushima)の Dr. Andreas Stohl(大気汚染シミュレーションの専門家)や
オーストリアの気象庁(http://www.zamg.ac.at/aktuell/)、
ドイツ気象庁(http://www.dwd.de/)、
フランス放射線防護原子力安全研究所(http://www.irsn.fr/EN/Pages/home.aspx)、
などが出していて、例えば地表のどこにダストが届くかは これ です。上述したようにかなり長い距離をダストが塊の形を保ったまま流れているのが分かると思います。ノルーウェー気象研究所の予報は ノルーウェー気象庁(http://www.yr.no/)の風向き予報(例えば東京だと これ)に基づいています。
 但し、全ての予報(シミュレーション)は何らかの仮定が入っていて、それ故に正確な予報が出来ません。とくにダスト雲の行き先や密度は天気予報よりも遥かに難しい予報です。例えばダストがどの高さまで昇るかの仮定を変えるだけでも行き先がすっかり変わります。現に上の4つの予報結果はお互いに食い違っています。だからこそ、観測データを一番の拠り所とすべきです。特に海風陸風が卓越している場合は(爆発のようにダストが高く舞い上がる場合を除いて)風向き予報よりも過去の平均(主に北西)を重視すべきです。
 予報や計算の曖昧さは、特に『量』で顕著です。例えば、オーストリア気象庁では放射性物質の量も出していますが、この手の『数値』は多めに見積もるのが普通なので、シミュレーションの数字にはあまり踊らされない方が無難です(下に書きます)。大切なのは観測値です。
 予報と実際の値が違う以上、(普段と風向きが違う場合に)風下を知る為には、実際の地上での風向き(アメダスなどの観測値)も見る必要があります。この場合、地表から上空1km程度まで、風向きがゆっくりと時計回りに変わる事(エクマン螺旋といいます)を考慮して、誤差を最大120度と見積もると、地表風向きに対して(上から見て)時計回りに90度、反時計回りに30度の範囲が風下に当たります。ただし、こういう面倒くさい事をしなければならないのは、普段と違う風向きの時だけです。

 さて、福島原発での放射能の値がどれだけ上がったら室内退避をすべきでしょうか? 急速に運ばれた放射性ダストが、例えば朝凪夕凪になって居住圏にジグザグしながら浮遊するとして、2時間を想定すれば50ミリSv/時が危険値です。つまり
(6) もしも原発の近くで50ミリSv/時を越えたら風下100km以内の人は緊急に屋内(出来るだけコンクリート製:注釈4)に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。
ちなみに無理やり居住地から脱出する必要は余りありません。想定外の爆発でなければ、様子を見て(1)~(5) に従って判断すれば良いと思います。
 では警戒値はどの程度になるでしょうか? この場合、原発での測定が一ヶ所であることを考慮しなければなりません。局所的な高放射能雲なので、一桁の誤差を見積もる必要があります。従って、緊急避難値の1割の5ミリSv/時という事になりますが、この位の値になると、原発正門(測定値のある所)では、事故現場からの直接放射の量が大きくて、浮遊性ダスト起源と区別がつきません。こういう時は変動幅を使うのが常套です。つまり
(7) もしも原発の場所で急に5ミリSv/時以上の変動が見られたら、風下100km以内の人はなるべく屋内(出来るだけコンクリート製:注釈4)に退避し、100km以上でも近くの放射能値に随時注意する = 黄信号。
となります。補則として、スモッグの時の対策と同じく
(8) 居住地で黄信号の場合、朝凪や夕凪(あるいは霧の発生し易い天気下)は外出を控える = 赤信号。
というのも加えておきます。どんなに急速にダストが溜まるか分からないからです。ちなみに雨天の場合は雨でダストが除去されますから、外部被爆のリスクは(雨に濡れさえしなければ)遠距離では大幅に軽減されます。但し、そのかわり土壌や水の検査が必要になります。
 一方、原発サイトで何らかの爆発(水蒸気爆発や水素爆発)があった場合、その爆発でそれだけの放射性ダストがどこまで高く上空に巻き上げられたかは分かりません。その事は、『放射性物質がない』と言われた1回目2回目の水素爆発で実際には放射性ダストを伴っていたらしい事からも分かります。なので、原発サイトで爆発があったら、風下は無条件に赤信号です。そして、その風下は高さによって違いますから、全ての方向が危険と云う事になります。従って、
(9) もしも原発サイトで何らかの爆発(水蒸気爆発や水素爆発)があった場合、半径100km以内の人は緊急に屋内(出来るだけコンクリート製:注釈4)に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。
となります。


第4に、原子力安全委員会が3月23日に公表した 試算値 への対応です。もしも単位が正しいなら各地点での観測値より遥かに大きい事は明らかで、というのも、12日間(300時間足らず)での屋外被爆量が、 50km 風下で 100ミリSvもあるという事は、一時間あたりで 0.3ミリSv/時(=300マイクロSv/時)という危険値がずっと続いていた事を意味するからです。 実際の測定値 はこれよりも一桁低く、この事から、
(10) シミュレーションの試算値に極端に惑わされてはいけない
事が分かります。単位についての解説や正確なデータ入力条件が示されていないので断定的な事は言えませんが、この手の誤差はシミュレーションの宿命と言えるもので、地球や惑星の大気や超高層を調べている者にとっては常識に近いものです。それは上記のオーストリア気象局の推定値にも当てはまります。しかしながら、同時に2つの重要な事を示しています。一つはこの試算が平均的な『風下』の領域(放射性ダストの集まりやすい場所)を知るのに役に立つ事で、もう一つは、風下領域では場所によってはほんの数kmで一桁も値が違う事で、この事は局所高濃度の観測(上記)と合致しています。従って、
(11) SPEEDIシミュレーションは、これから先、真っ先に危険になるかも知れない地域を予測するのに役立つ
という事なります。例えば避難経路を考える時に、まず遠くに逃げるのでなく、西に逃げるのが良いという事をなります。


 最期に、気象庁と原子力保安院への提言です。原発サイトの回りでの放射性ダストの分布を推定する為に
(b) 原発を取り巻くような形で500m程度離れた地点での放射能モニターを至急設置して欲しい。
(c) ダストと風の垂直分布(ダストが何処まで高く昇るのかが決定的に重要です)を推測する為に、気象ゾンデに放射能モニターを積んで、毎日数回、原発サイトの近くで打ちあげて欲しい。
(d) 原発地点の近くの高い所で、常時発煙筒を焚いて欲しい。この煙の行き先から放射性ダストの向かう方角がある程度わかる
これらの情報があるだけで、放射性ダストの行き先の予測が非常に楽になります。

 あと、気象庁を中心にして、土壌汚染の概算の為に
(e) 原発の場所から出た放射性物質の総量を放射能と風向きの観測値から大雑把(桁の精度)で見積もって欲しい
と思います。具体的には下記の手法です(これは案ですので、改善案を持っておられる方はご連絡ください)。
 各観測地点で、それぞれ放射性ダストが空全体(半球)に一様に広がっていると仮定すると、それから放射線源(物質不特定)の密度が出てきます(土壌からの放射線量は空中からの放射線量に比べて無視できる)。もしもダストの半減期(いろいろ混合しているけど、思い切って8時間、8日のそれぞれについて場合分けするのが簡単だと思う)と上空の風速が分かれば、この放射線源のfluxが分かります。これを原発を取り巻くようにして積分すると放射線源の排出量(単位時間あたり)が推定出来るし、これを異なる距離で比較して、更に雨による落下の効果を考慮すると、地上に落ちてしまった放射線源の量(単位時間あたり)が推定できます。そして、これらを3月12日から積分すると総量が出てきます。もちろん、最低でも検証のために実際の土壌の放射線量と比較する必要がありますが、とにかく観測値から概算は不可能ではありません。水源地の土壌を全部調べるには膨大な時間がかかりますので、概算は役に立つと思います。ちなみに、風速を仮定すれば学生さん(理系)でも出来る計算ですが、仮定の仕方で結果が桁で変わりますので、間違って大きすぎる値(それはパニックを引き起こす)になりかねません。だから、上空の風速のデータを持っている日本の気象関係者が計算するのは無難です。
 理論的には風速の変化が重要です。というのもダストは風の浮力で浮いているからです。従って、空気中の放射能の量と土壌に落ちる放射性物質の量は必ずしも比例関係にありません。例えば遠方で相当量の放射性物質が見つかったからといって、それより近いところも同様に危ないという事にはならないのです。
 それから、原子力安全委員会(SPEEDIの関係者)が地球惑星科学関係者に応援を頼んでいない(超高層の学会にも気象学会にも大気化学学会にもその手の呼びかけがありません)というのが解せません。シミュレーションと観測データの比較はこの3つの学会(+海洋学会や陸水学会)が得意とする分野で、特に今の事態だと至急
(f) 地球大気関係のプロに応援を頼むべき
です。少なくともSPEEDIは実際のデータをシミュレーションに反映させるという点に関しては初心者と同じなのですから。
 原子力安全委員会にはもう一つ提案があって、それは「人間の心理を考慮した避難計画の立て方」を身を以て勉強して欲しいと云う事です。プルトニウムは検出され、収束に1ヶ月以上かかると事を考えれば、今からでも遅くありません。一番手っ取り早いのは
(z) 原子力安全委員長の班目氏に、原発北西30キロ地点に一家揃って暫く住んで貰う
事でしょう。これをするだけで、人心がかなり落ち着く筈です。携帯ネットの充実した現代、政府との連絡は遠くからでも十分に出来ます。

2011-3-18:初版
2011-3-25:改版
revisions:
2011-3-25:(米国エネルギー省のリンク追加)
2011-3-26:小児の判断基準(妊娠初期に準ずる)を追加、(f)を追加、注釈4を追加。
2011-3-27:爆発の場合を追加、(9)を挿入、注釈2を挿入。
2011-3-28:(a)を挿入、雨による影響を追加、 放射線医療総合研究所の指針と 原子力安全委員会の資料 をリンク、放射性ダスト吸い込みの影響を追加。
2011-3-29:(z)を追加。
山内正敏
スウェーデン国立スペース物理研究所(IRF)
(修正に当たっては多くの方のコメントに感謝します。間違い等があればお教え頂けると有り難いです)
最期に「カルシウムを食べよう」を提唱したいと思います。イライラは判断を誤りスケープゴートに走る元ですので。
===========================================

注釈1:単位について(Gy と Sv)

Sv = Q x Gy

で大抵は Q=1 です。但し、ソースの近く(原子炉の近くとか、放射性ダストの近く)では中性子の事があり、その場合はQ=10程度(エネルギーによって数値が少し違う)です。


注釈2::原子力安全委員会が3月25日にやっと『 文部科学省の測定値 に基づく、避難や屋内退避の必要性の 判定基準 』を提言をし、26日の測定値分から、 判定結果 を流しています。かいつまんで書くと、被曝上限値(彼らは10~50ミリSvで設定)を84時間で割った値を赤信号にするというものです(文書には、1週間同じ状態が続いた場合に、一日16時間をコンクリートに準ずる室内に住んだ場合にどれだけ被爆するかという計算をして、それが被曝上限値を越えるか越えないか判断すると書いてある)。もったいぶった説明をつける割には、木造の場合に放射能を殆どシールドしない事などを無視していますが(注釈4参照)、そういう些細な事はともかく、実際の判定で『一部で基準値を超える所があるものの、8日と云う半減期で減るだろう事を考えたら限度内』としているのは全く解せません。そこに、放射性物質が定常的に流れ込んでいるという(現実に即した)発想は無いようです。確かにダストの観測量は減少傾向にありますが、その収束値はゼロではなく、無視出来ない値が続いており(40キロ北西で 5 Bq/m3以上)、爆発時のダストだけでない事ははっきりしています、しかも既に放射能ダストが出始めて2週間も経っているのに、評価期間は1週間で、上記の緊急脱出条件と同じです。危険値の計算方法を示してくれた事は評価しますが、本気で自衛するつもりなら『原子力安全委員会』の推薦(それが政府の判断を決めている)を囚われるのはお勧め出来ません。


注釈3:原子炉は開放弁や場所不明の亀裂や通して外と繋がっていると考えられます。実際、水素爆発とその直前の放射能増加は、水素や放射性ダストが原子炉から出て行った事を意味しています。一方、原子炉内では水を被っていない燃料棒が、表面から放射性ダストを出し続けています。ダストの出る速さは一定でなく、焚き火での焼けぼっくいと同じように、小さな崩壊(爆発)を繰り返して、それが放射能の濃淡を作ります。亀裂や開放弁から出て行く時も同じで、最終的に発電所から出て行く時も同じです(最悪の場合は大爆発という形ですが、今はそれは考えていません)。


注釈4:屋内退避の目的は外部被曝と内部被曝(放射性ダストを吸い込む危険)の両方です。文部科学省の 防災ネットワーク問答集や 原子力安全委員会の資料 の94ページ目によると、木造建築はきちんと窓とかを締め切れば放射性ダストを短期的にはかなり防ぐ事ができますが(1/4程度に軽減)、建物の外のダストから出される放射線に対して殆ど無力です。コンクリートだと外部被曝を5分の1に軽減します。ちなみに1日以上の長期間で屋内がどのくらい放射性ダストを閉め出す事が出来るかについては書いてありません。木造家屋で1/4に軽減というのは有り得ないと見るべきです(原子力安全委員会はこの手の考察を全くしていません)。

★体内浄化法★

スイスの友人から、放射能対策が送られてきました。
ご参考ください。

★体内浄化法★
●自然のペクチンを摂る。通常リンゴから摂れます。セシウム137を体から除去するのを助けます。
●スピルリナという特別な海草には、栄養が豊富で免疫系、放射線物質からの保護、またその除去に役立ちます。
●緑茶は、体を浄化するのに、また、体内の含有物を消化するを助けます。
●グランダーウォーターという水道水を活性化させる働きのある商品があります。http://grander.com/en/products
●若い青麦。いわゆる青汁系には、ミネラルが多く含まれ、栄養価も高い。体内浄化によく、体を活性化させる働きもあります。10センチくらいに育った青麦を絞って飲むといい。これは自宅のバルコニーでも栽培できます。

原発がどんなものか知ってほしい

「原発がどんなものか知ってほしい」というサイトがあります。

原発がどんなものか知ってほしい

ここでは、原発をむやみに批判するのではなく、原発とは何かが詳しく説明されています。

筆者「平井憲夫さん」について:
1997年1月逝去。
1級プラント配管技能士、原発事故調査国民会議顧問、原発被曝労働者救済センター代表、北陸電力能登(現・志賀)原発差し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証人。

原子力発電は日本のエネルギーの30%程度を占めています。ですから、「原発がなくなったら、工場など製造業に打撃も及ぶし、日本経済がたちゆかなくなる」という言葉を聞くこともあります。
実際、その言葉は否定できません。今、製造業が計画停電のために、作業が大幅に遅れていることは報道などで聞き知っています。
それでも、私たちは原発を持つ以上、リスクの上に生活していることを知っておくべきだと思います。
私たちがぬくぬくと何不自由ない生活ができているのも、原発を利用した上だからのこと、その原発を運営するために少なからぬ犠牲者があって私たちの生活が無事に営まれていること、こうしたことを、私たち一人ひとりがしっかりと見て知っておくべきです。その上で、今後どうしていくのかを選んでゆく必要があります。

すごい中学生を見つけてしまった。。。。

すごい中学生がいたもんだ。

藤波心ちゃんという中学生で『ここっぴーの★へそっぴー』という実にふざけたタイトルというか、中学生らしいかわいらしいデザインのブログなんだが、ところがどっこい、彼女の原発に対する視点には目を見張るものがある。
批難覚悟で…

ハッキリと 原発反対 を訴えていて、さらに、今の 「微量だから安全」 を繰り返すメディアに対しても疑問を呈しています。ホント、この子の言っていることは正しい。その通りだ、とうなづくしかない。

こうして、若者達の間には正しい良識が生まれているのだと思うと、私は嬉しい。メディアや企業が正直に報道しない、報告しない何らかの「大人の事情」があったとしても、次の世代にまで通用しない、そういう時代になっていくべきだ。そういう意味で、「批難を覚悟の上」でこの発言をした心ちゃんに心から拍手喝采の気持ちです。

これまでは、私たちも原発のお世話になってきた。たんとお世話になり、たんと贅沢もさせてもらってきた。
これからは、もっと別の方法、太陽光とか潮力、水力、風力など、自然の力を利用した電力生産の開発に注目していくべきだと思う。
実際にそういう能力、技術も開発力も人材も知識も日本にはあるし、そういうプロジェクトに着手している企業もあるのだそうです。(ここはこれからもっと調べます。)

その前にまずは福島の状況がおさまってくれなくては。
これについては、今、現地で必死にがんばってくれている作業員の皆さんに対して、作業が無事に進むよう祈るしかないのですが、とにかく祈るのみです。

クロマグロの漁獲量、制限へ!!!

日本が世界初のこうした決断をしてくれるのは嬉しいニュースだ。
(裏に何かあるのかしら?・・・と嬉しいニュースでも勘ぐってしまう。)

<日本経済新聞インターネットより>
太平洋クロマグロ、成魚も漁獲量を制限 11年度から
2011/3/25 20:56

 水産庁は25日、2011年度からの太平洋クロマグロの資源管理策を発表した。クロマグロの産卵期の6~8月にかけて日本海での成魚の漁獲量を年間2千トン未満に制限することなどが柱。太平洋クロマグロで成魚の漁獲量まで規制するのは世界でも初めて。

 日本海でのまき網漁船によるクロマグロ成魚の6~8月にかけての漁獲量は2005~09年の平均で約2300トン。来年度からの規制でこの期間の漁獲量は1割強が減る。ただし、産卵期以外の間については漁獲枠を設けないため「通年の供給量には影響は出ない」(水産庁)としている。

 産卵期の漁を抑制して、資源量を維持するのが目的。また、マグロの世界最大の消費国として、資源管理を率先して進める姿勢を打ち出す狙いもあるようだ。

 未成魚については昨年末の中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)での合意を踏まえ、年間4500トン程度に抑制する。05~09年平均と比べると、3割程度の減少となる。

http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819591E0E7E2E2978DE0E7E2E1E0E2E3E39797E3E2E2E2

東電の功罪

原子力保安委員会のレポートによると、福島原発に関して、現時点までに津波の危険性について東電は重要視していなかったのでは、という疑いがある。
もちろん、東電は否定はしているが、そうと取られても否めない事実もある。
今回の地震が、予想をはるかに超えた超大規模だったこと、津波の危険性も6メートルくらいまでの設定であったこと(実際に、福島原発を襲った津波は14Mといわれる)
福島第1原発の津波、高さ14メートル以上
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2791876/6990749

想定外の未曾有の大震災だったといいたいのだろうが、果たしてそれが適切な判断であったのかどうかは、今後議論の余地があるだろう。それは専門家達も認めている。

今回の原発事故で、東電の罪は本当に大きい。
福島県民の方、近隣県民の方の精神的苦労を思えば、いたたまれなくなる。
彼らは逃げ出したくても、十分なガソリンがないなどの理由で逃げ出せないのだ。
東電や国は、一刻も早く彼らに精神的な安心を与えなければならない。
しかし、原発を許してきた私たち国民にも責任はある。

水の豊富な日本、中国など多くの国が日本の水源を買い占めようという話題もあったほどの日本が、一瞬で転落し、水も食料にもこと欠くことになってしまった。これからは、海外からの輸入に100%頼らざるを得なくなるのだろうか。今だって自給率はたったの40%にも満たないというのに。

今の日本は、宮崎駿の描く「風の谷のナウシカ」か「天空の城ラピュタ」を思わせる。
いずれ、地上には人の住む場所がなくなってしまうのか。
人類が、地球が、この先生き延びてゆけるのか、それともここで絶えてゆくのか。
その分かれ道は、今後の私たちの決断に拠る。

ワシントン・ポストの記事(英語)
Japanese nuclear plant’s safety analysts brushed off risk of tsunami

牛は呼吸から放射能汚染をしているのか。

地震以来、外国の各社メディアが続々とジャーナリストを日本に送り込み、地震のレポートを続けているようです。
ワシントンポストもそのひとつで、今、彼らのお手伝いをしています。

取材が進んでいくのと同時進行するように、福島原発のほうは悪化の一途を辿っているように感じます。
とにかく今は、原子炉の温度をコントロール可能にすることが第一の優先案件なのですが、なかなかそうは簡単には進まないだろうというのが専門家から聞かれます。中には現時点からさらに10日~2週間くらいかかるだろうと予測する専門家もいます。

そんなことをしているうちにも、どんどん放射線は飛散していき、周りの大地、海と環境を汚染していきます。
福島県の牛から規定値以上のヨウ素が確認されたということで、流通が禁止になっていますが、牛は乾燥した飼育草を食べているだけで、外で青草をはんでいるわけではありませんでした。だいたい、この時期、東京でも青草が外には育っていないのです。東北の寒い地域ではなおのことです。

つまり、牛たちは、空気を吸ってか、乾燥草を食べている間に放射線を体内に取り込み、それが原乳にでてきたようなのです。酪農家の人たちは、「牛が空気を吸うだけでこうなるのだったら、人間はどうなの?」と言っていました。

考えると恐ろしいことです。水が、ほうれん草が、キャベツがといっている私たちがすでに、もう汚染されているのですから。
とにかく、一刻も早く福島原発には制御機能を取り戻してもらい、温度を下げ、その後、原発のあり方を真剣に議論していく必要があります。

ワシントン・ポストの記事(英語)
Anxiety grows over Japan’s food and water supply


是非多くの人に知ってもらいたい意外な情報

先ほどのマクロビのサイトから、特にこのページを引っ張り出してみました。

福島原発に心から感謝します
http://macrobiotic.at.webry.info/201103/article_33.html

以下、転載です。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
これ読んだら、なけました。

自分の生活のためにつくった原発でその利益をこうむりいまでもこうむり続けているのに、
私はいまや原発を厄介者のように思っている。
なんだろう、この矛盾。今までぼんやりとしか気づいていなかったけど、こうやって言葉にしてもらえると改めて気づける。

原発さん、プルトニウムさん
ごめんなさい。ごめんなさい。そして今まで日本人のためにがんばって働いてくれて、今も決死の覚悟で放射能を拡散しないように踏ん張ってくれて本当にありがとう。ごめんなさい。

被災地の皆さん、ごめんなさい。
復旧作業に決死の覚悟であたっている皆さん、ごめんなさい。
命がけで対応してくださっている政府や電力会社の皆さん、ごめんなさい。
今自分にできることを見つめて、考えて、行動しているみなさん、ごめんなさい。

そして、ありがとう。

たくさんのありがとうを送ります。

そして皆さんの無事を心から意図しています。


--転載--

今や日本だけでなく世界、地球の問題になっている福島の原発です。そんな不安な中でさえ不眠不休で頑張っていらっしゃる方々がたくさんいると思うと時間がある限りその方々への応援、そして愛と感謝のエネルギーを届けたいと思います。
祈りは必ずよき方向に向かうと信じています。

以下、友達からのメールを転送します。


みなさま
分っていただけそうなみなさまに、緊急でお送りします。
精神科医の越智恵子さんのメルマガからの転送です。
↓↓↓↓↓↓

福島原発がとても寂しがっていますので、皆で一緒に愛と感謝を
たくさん、花束のイメージとともに贈りましょう!
福島原発は三基あります。
インナーチャイルドの癒しの応用です。
プルトニウムにも意識があります。今まで無償の愛で私たちの
快適な生活のためにエネルギーを電力に供給してくれました。
「今まで本当にありがとう!深く感謝しています」と抱きしめるイメージで
愛と感謝と花束を贈りたいと思います。
イメージなので、ハグをしても大丈夫です。被爆しません。むしろパワーを
もらいます。熱を受け取るイメージでクールダウンの応援をしましょう!
必ず落ち着いてきますので、今日は原子力発電所の原子炉さんに愛の祈りを
しましょう!
今日もみんなで一緒に愛の祈りをしましょう!
蘇ります。地球は大丈夫です!!

それでは、また!

笑いの天使・啓子より

引用元:http://sunnypizza.blog41.fc2.com/

自分で情報を見極める


ここには、放射能に関する貴重な情報、メディアのニュースからは知ることのできない情報、が詰まっています。みなさん、ご参考にしてください。

楽しいマクロビオティック生活
http://macrobiotic.at.webry.info/

日本ホメオパシー医学協会が、放射線汚染のレメディを無料で配布

日本ホメオパシー医学協会が、放射能汚染のレメディを無料で配布しています。
問い合わせは、 
お問い合わせはJPHMA事務局まで。
Tel: 03-5779-7411
Fax: 03-5779-7412
Mail: office@jphma.org

http://www.jphma.org/gienkatsudo/20110315_miyagi02.html


日本ホメオパシー医学協会 会長 由井寅子さんのメッセージ

2011年3月11日午後2時46分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)9.0(暫定値)の地震が起き、宮城県北部で震度7を観測。同3時15分にもM7.4の余震があり、茨城県南部などで震度6弱を観測。現在、行方不明者は15,000人、死者は1,800人にもなっており、10m以上の津波が起こり、多くの海岸線では津波が5kmまで上がってくるという状態となり、多くの町が飲みこまれてしまいました。各地で被害の拡大も確認されて、原発の問題も大きく指摘されています。

これほど広範囲に渡る地域に被害が出て、今もって余震が続いております。
この度の地震に遭われた方々、また家族や知人で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

どこへ行くにも、必ずホームキットを持参してください。
どんなときにも、ホメオパシーに関係する人々は、気丈に、勇気を持たれ、助けが必要な方々に手を差し伸べましょう。

ホメオパシージャパン株式会社から応援をいただき、被害者の皆様、そして、心が不安で仕方がない皆様に、JPHMAから以下の2種類のレメディーを無料でお渡ししています。お渡し場所は、全国のカレッジオブホリスティックホメオパシー(CHhom)のショップにてお受け取りください。

①Acon.とArn.、Ars.のAAAレメディー
恐怖や不安、打撲ケガにあう必須のレメディーとなりますので、常に持ち歩いてください。大地震によるショックから深い心の傷となるPTSD(心的外傷後ストレス障害)にならないために、早いうちにホメオパシーで対処する事が望ましいと思います。

②Cadm-s.、Sol.、Pluton.、Kali-iod.、Rad-br.、Uran-n.、Caes-h.などのRAレメディー
放射線の問題にあうレメディーです。

また、キットお持ちの方は、以下のレメディーは心のショックや緊急時の対応にとっても良いレメディーです。
(過去にこのような経験でPTSDをお持ちの方にもおすすめいたします)

Acon. (アコナイト) 恐怖、後に恐怖が続く
Op.(オピューム) 恐怖、恐怖の感覚が麻痺するほどの恐怖
Arg-n. (アージニット) 恐怖、パニック
Stram.(ストロモニウム) 恐怖
Ars.(アーセニカム) 不安、心配、下痢
Arn. (アーニカ)、Hyper.(ハイペリカム) 打撲、ケガ
Canth.(カンサリス)、Ars.(アーセニカム) 火傷への対処
Phos.(フォスフォラス) 感電への対処
Nux-v.(ナックスボミカ)、Ars.(アーセニカム)、Carb-v.(カーボベジ)
有害物質よる空気汚染もしくは、雨

「日出る国の民たちへのメッセージ 」

3月11日に起こった東北太平洋地震では、想像を絶することが次から次へと起こっています。
そして、私たちは、一体何がどうなっているのか、情報は錯綜し、混乱を極めています。
今は、こんなときです。大切な情報をシェアできるように、このブログも展開していきます。

昨日、友人からこのようなメッセージが送られてきました。
どんな問題でも、解決できないことはない。というのが私が信頼している人から聞いた言葉です。
今、私たちが面していることも、きっと解決できない問題ではないと信じています。
私たちができることを、精一杯やる、そのための応援歌だと、私はこのメッセージをとらえています。


「日出る国の民たちへのメッセージ 」


日本よ 日本の民よ
日出る国の民たちよ

地震多き 原発多き 島国にて
まるで龍神の背の上で暮らすかのごとき
暮らしを選んだ勇気ある民たちよ

見たこともない すさまじき 未曾有の試練を
意識もしない魂の底で
実は受け入れていたあなたたちよ
あなたたちの 誇り高さを称えます

大変な犠牲もありましたが 
その者たちも 瞬時に光となり
さらなる被害を食い止めようと全力で働いています

まだ肉体ある あなたたちが
そんなことで どうするのです

恐怖の連鎖に飲み込まれてはなりません
怖れや不安や緊張やパニックに便乗してはなりません

あなたたちは なんのために
今まで長い時間をかけて自分のことを癒して来たのですか

沢山の内なる浄化を続けてきたのですか
なんのために眠れる力を目覚めさせてきたのですか
沢山の人に助けられて来たのですか
集団の祈りの力を 信じれるようになってきていたのですか

今 
今のためであった
それを感じるでしょう

不吉な予言の奥を見なさい
そうならないようにするために予言はある

今こそ
祈りなさい
歌いなさい
手をとりなさい
力をあわせなさい

政治的な大事な決断する人の意識に届くように
ガレキの奥で助けを求めてる人を 
誰かが偶然のごとく見えない力に導かれて見つけ出すように
原子炉がなんとかもちこたえるように
風向きが最も被害少なき方向へ流れるように
救助しやすき天気になるように

地震前のあなたたちの俗っぽい悩み
全て ぶっとんだであろう
いつもと変わらぬ毎日 
全て くつがえったであろう

政治批判をしてきた者よ
衣食住が今まであっただけでも なんとありがたき政策か
電気のありがたさ
ガスのありがたさ
水のありがたさ
屋根ある家のありがたさ
身に染みたであろうぞ

今 体調が悪い者よ
誇りなさい
あなたたちは自分の身体を使い
被害の何兆分の一かでも
身をていして
引き受ける勇敢な者たちなり

たった一日で
全員が真実をみたな
そう
ほんとうに大事なのは 
生きること 
できれば大事な人たちと
できれば少しでも多くの人たちと
生きて笑えること 笑いあえること それだけだな

連絡が滞ってた人に連絡をしたであろう
大嫌いだった人の安否も気になったであろう
そう あなたたちは 愛のかたまり
いつだって ほんとは そうであった

思い出して 
あなたたちは
自殺したい時であろうが
誰かを殺したい時であろうが
いつだって
愛そのものであったことを

日出る国の民よ
あなたたちは集団覚醒した
それぞれが
微力であろうとも
それが重なり合えば
まばゆき光となりき
強大な熱を持ち
エネルギーとなり絶大なるパワーを放つ

届かせよ
できるだけ遠くまで
祈れよ
感じるままに

最大の窮地
それぞれが
それぞれに
限界だと思う もうちょっとだけ先まで
どうか持ちこたえよ

今こそ あなたたちが望んだ世界がはじまるのだ
見届けよ
最後の一人となろうとも

大和魂 復活の時きたれり
一人でも多くの手をとれ
サポート多きあることを 
信じなさい

われわれも
共にゆかん
天岩戸は開かれた

日本よ
日本の民よ
日出る国の民たちよ

世界を照らす
地球を照らす 
太陽となれ

フカヒレの知られざる事実

「知られざる」とまで言うと大げさだということになるかもしれませんが、私たちが知っている高級食材のフカヒレは、非常に残酷な経緯をたどって私たちの食卓にきます。

いわゆるフカヒレというのは、サメのヒレの部分です。
そのヒレの部分だけをとるために、サメは捕まえられ、ヒレの部分だけ切り取って、海に放り投げだされます。ところが、ヒレを切り取られたサメは、もうコントロールをとることができず、まもなく死んでいきます。たったヒレの部分だけを人間が欲するために、サメ達はこのような悲しい末路をたどることになるのです。

また、中国を中心にフカヒレの需要は高まる一方なので、サメの乱獲が危機的なサメの減少につながっています。

ナショナルジオグラフィックから
保護活動に転換を迫られるサメ漁

フカヒレDNA鑑定、乱獲地域を特定


これらの記事からもわかるように、サメも乱獲の結果、激減し、このままでは絶滅種になってしまいます。
漁をする側からエコツーリズムに転換したい人もいるようですが、なかなか援助なしには転換しにくいという現実もあるようです。それもそうですね。エコツーリズムにするのであれば、客を連れてくるルートを確保する必要があります。旅行代理店などと組んでそれなりのインフラを敷くことも必要になりますから。そこに政府の補助がつくことで、さらにツーリズムの発展が開かれるのです。

それとも、人間はこのまま、種が絶えていくのを指をくわえて見ているのでしょうか。
弱肉強食、弱いものはいずれ絶えてゆく……そのようなことを言う人もいます。
確かにその通りです。
しかし、それは、野生の世界での理論で話されるのであって、人間の乱獲や汚染によるものとは違うと思います。それでも弱いものは絶えてゆくというのであれば、それは巡り巡ってやがては人間そのものに危機として襲い掛かってくるものでしょう。この世の中はサイクルです。食物連鎖もそうですし、大河の水が蒸発し、海洋に戻っていくまでもサイクルです。このあらゆるサイクルの中に人間も存在しているのです。
このサイクルの中で共存のできない種になってしまうのであれば、いずれは恐竜のように、自らを絶滅へと追い込むことになりかねません。

乱獲がやがて人間にどのようなしっぺ返しとなるのか、少し考えてみれば明らかなことです。
ただ、今、この瞬間にも、地元ではそれで生活をしている人もいます。
人間が乱獲をしなくても生きていける世界を作ること、そのために必要なこと、私たちが今できることを考える必要があります。

サメやフカヒレの問題についてもっと知りたい人は、パンゲアシードのサイトを訪れてみてください。
http://pangeaseed.com/about-sharks/

上関原発 29年の歴史に刻む大強行

今日まで全く知らなかったのですが、30年近くにもわたって住民が強く反対しているにも関わらず、原子力発電所の建設が強行に行われようとしているところがあるんですね。

上関原発 29年の歴史に刻む大強行 2011.2.21~
http://www.youtube.com/watch?v=SV5OIuvOotU

ストップ!上関原発!

山口県と愛知県と大分県の間の伊予湾に浮かぶ、美しい島で、住民がなんとか阻止しようとボイコットをしています。こんなに美しい海が瀬戸内にもまだあったのですね。
どうして、美しい海を次々とこのような恐ろしい汚染のためのターゲットにしようとするのでしょうか。

原発ができると、当然のことながら、海が破壊され、そこに住む生物は減少します。獲れる魚介類の安全性も懸念されるようになるでしょう。そうすると、住民はますます苦しくなるばかりです。
私たちに一体何ができるのか、考えてしまいます。
どうぞ、みなさんのご意見をお聞かせください。

今、海の生き物がどんどん減っている

今、海の生き物がどんどんいなくなっています。

何年か前に、科学雑誌『サイエンス』で、「2048年には地球の海から魚が消えてしまう」と予測しています。
ワシントンポスト 2006年11月3日の記事

小魚が減ると、小魚を食べる大きな魚が減ります。大魚が減ると、それをエサにしている鯨類が減ります。鯨類が減ると、鯨類が出すウンチを栄養としているプランクトンや小魚が減ります。
ちょっと省略が多く、おおまかな流れにしたのですが、こうして、食物連鎖のパイが小さくなっていきます。
食物連鎖のパイはどんどん小さくなっているのに、人間はそれでも、乱獲を続けます。
そうすると、海がどんどん痩せていきます。
痩せた海は、海として機能しなくなってしまいます。
海が機能しないということは、海からの酸素もなくなるので、地球全体に大きな影響を及ぼします。

世界は今、シーフードブームで、特に中国やロシアがシーフードに目を向けたことで、世界中で魚の需要があがっています。中でも、マグロの人気は著しく、本マグロは2012年に絶滅するだろうと発言する研究者も多くいます。ただ、日本人の研究者ではなく、外国人の研究者なので、記事は英語が中心となりますが。現在、地中海には50年前に比べると10%程度の生物しか生息していないと言われています。
Bluefin breeding population may disappear by 2012: WWF analysis

また、昨年、メキシコ湾で石油会社BP社が起こした事故による動物への被害は全くもって未知数です。最近のニュースでは、メキシコ湾に住むイルカが原因不明で亡くなっていたのが相次いで見つかっています。
Sun Herald

ちょっと散漫に事例を出してみましたが、今、世界ではあちこちで、このように乱獲や汚染による被害が現れていて、それに警告を出す科学者や機関が多くあります。

私たち人間が、自然との共存を意識せずに、好き放題していた結果、海が汚され、生き物が減り、ゴミが浮かぶようになってしまいました。この流れを今、変えなければ、これからの地球は大変なことになってしまいます。
日本は、海に囲まれた海洋大国です。海産物の消費も世界でトップです。だからこそ、私たち日本人はこの問題を見つめる責任があると思っています。

「水産物消費が史上最高に達す」というニュースについて

これまで、海の環境に考えることを書いていこうと決心していながら、話題はイルカやクジラのことが中心でしたので、そろそろ、他のことも書いていきます。

今、人間による魚介類の乱獲は、世界中で行われています。
その量は年々増えていき、それと反比例するように、魚たちはどんどんと激減しています。

それなのに、人間のあくなき消費欲は止まるところを知りません。

水産物消費が史上最高に達す


イルカウォッチングは、Win&Winのビジネスモデル 

昨日(3月1日)の午後10時から、マイアミのラジオ局で番組を持っているジョーさんと富戸の光海丸の石井泉船長との電話インタビューが行われました。

Interview with Izumi Ishii, former dolphin hunter, now Dolphin & Whale tour guide in Futo, Japan

及ばずながら、石井さんの通訳として、私も参加させていただいたのですが、番組中、石井さんはいくつもの「なるほどなー」とうなづかされることを言っています。

まずは、イルカ猟よりイルカウォッチングの方がメリットがある、と明言しています。
その理由は、「猟をするには体力がいるが、いずれ猟師も年をとれば、その体力も衰えてしまう、そのときに、ウォッチングをしていれば、猟師(漁師)としての寿命も延びるし、いつまでも大好きな海の仕事に関わっていられるから」だというのです。

さらに、この方法だとイルカを無駄に殺さなくなるので、イルカの個体数が増え、さらに多くの種類のイルカを間近で見ることができるようにもなるでしょう。イルカが増えると、魚が減ると考える人もいるかもしれませんが、魚が減っているのは人間の乱獲や汚染のほうが大きな原因です。イルカが増えることが直接の原因ではありません。
イルカが増えると、当然ですが、より多くの人がウォッチングを楽しめるようになります。

また、ウォッチングに職業をシフトするとき、それまで猟に使っていた船を使えばいいので、初期投資の費用がかからないといったメリットも石井さんは挙げていました。

イルカは哺乳類です。哺乳類には感情があるといいます。
石井さんから、私が教わったことで、とても印象深いことのひとつに、「イルカは決して人を襲わない」というものがあります。
これは、石井さん自身の何十年の経験に基づいた発言で、自分達が猟をしていた間、一度たりともイルカたちに襲われたり、かみつかれたり、逆らわれたことがなかったそうです。
そして、それを石井さんは「それは、イルカ達の無抵抗の抵抗なんだよ」と言います。
彼らはいつの日か人間が彼らと一緒に共存していくよう、目が覚めるのを“無抵抗の抵抗”でもって待ってくれているのでしょうか。

温和な彼らは、きっと豊かな感情を持っていることでしょう。
それだけに、殺されるときの苦しみや痛みも人間と引けをとらないほどに持っているはずです。
(ここでは、イルカの話をしているのであって、別の動物だったら良いという話をしているわけでもありませんので、ご理解ください。)

イルカウォッチングが誰にとってもWin-Winのシチュエーションをもたらすのだということは、私たちが持つ大切な知識です。

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